入管法が改正されます。 パート2 個々の在留資格に関する改正ポイント
今回は出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。このシリーズで同じ。)の改正についてお伝えします。
前回の同内容のニュースリリースから時間が経ってしまいましたが、最後までお伝えしたいと思います。
さて、昨年6月の通常国会で入管法の一部を改正する法律が可決成立しました。
この入管法改正は昨年6月に策定された日本再興戦略と観光立国実現に向けたアクション・プログラムに盛り込まれた施策を実現し、日本経済を活性化するために役立つ外国人の受け入れを促進することなどを目的としています。
主な改正項目は次の3つに分けられます。
1.在留資格の整備関係
2.上陸審査の円滑化関係
3.その他の改正項目
今回は1「在留資格の整備関係」の中から既存の在留資格について改正されたものを取り上げます。
改正された具体的な在留資格は「投資・経営」と「人文知識・国際業務」、「技術」、「留学」です。
まず、「投資・経営」に関する改正ですが、従来は外資系企業における経営、管理活動に限られていたところ、日系企業における経営・管理活動を行うことでも許可されるようになりました。
また、名称も「経営・管理」に改められました。
これには、企業の経営・管理活動に従事する外国人の受け入れを促進する狙いがあります。
次に、「人文知識・国際業務」と「技術」についてですが、従来は取り扱う業務によって異なる在留資格となっていましたが、今回の改正でこの区分を廃止し、包括的な在留資格「技術・人文知識・国際業務」を設けることになりました。
従来は業務に要する知識等の区分(文系・理系)によって「人文知識・国際業務」と「技術」に分けられていましたが、専門的・技術的分野における外国人の受け入れに関する企業のニーズに柔軟に対応するため一般的な就労資格としてより複合的な業務を行えるよう制度設計がなされました。
従来はシステムエンジニア(SE)などの一部の方でどちらの資格に区分していいのか分からないケースがあったのですが、これからは対象者がどちらの在留資格に該当するのか悩まなくてよくなります。
最後に「留学」についてですが、小学校と中学校で教育を受ける活動も含まれることになりました。
従来は大学や高校などで活動することしか認められていなかったのですが、これからは小学校や中学校での活動も認められるようになりました。
これには、学校教育の場における国際交流促進のニーズに応える狙いがあります。
この改正の施行日ですが、「留学」に関するものは平成27年1月1日(すでに施行されています。)で、「投資・経営」、「人文知識・国際業務」、「技術」に関するものは平成27年4月1日です。